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「総合取引所」、なお残る溝 分断上場のおそれも

様々な金融商品を一元的に取り扱う「総合取引所」の発足に向け、日本取引所グループ(JPX)と東京商品取引所(東商取)が3月末に統合で基本合意する方向だ。JPXが東商取を買収し、長年の構想が前進する。東商取の扱う商品先物の多くをJPXが取り込み、取引の活性化が期待されるが、東商取は一部は独自に扱いたい考えで、不透明な面も残る。


JPXは株式の現物取引をする東京証券取引所と、デリバティブ(金融派生商品)を扱う大阪取引所を傘下に持つ。東商取は原油や、金など貴金属、穀物など農産品などの商品先物を扱う。


JPXは今夏にも東商取に株式公開買い付け(TOB)を行い子会社化する。東商取の貴金属と農産品の取引を大阪取引所へ移管する方向で調整をしている。


大阪取引所がデリバティブや商品先物を一元的に扱うことになれば、大阪取引所と東商取で二つ必要だった証券会社の参加資格が一つで済むようになる。顧客も一つの口座で取引できる。株価指数先物と金先物を組み合わせた取引なども可能となり、新たな投資を呼び込めると期待される。


ただ、東商取は原油などのエネルギー先物は移管せず引き続き扱いたい考えだ。東商取は電力の先物取引の取り扱いを目指しており、原油などと合わせた総合エネルギー市場としたい考えだ。


JPXとの溝が埋まらないため…


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