23日に開幕した第91回選抜高校野球大会に出場する高松商。地元では、応援ムードが盛り上がりを見せている。
丸いメロンパンに、硬球の縫い目のようなチョコレート。高松商の西隣、高松市塩上町3丁目にあるパン店「イノウエベーカリー」は、「ベースボールメロンパン」(税込み140円)を販売している。
店は、井上直也さん(47)、菜々子さん(48)夫妻が2006年にオープン。野球部員や長尾健司監督も買いに来るという。「顔の知っている子がテレビで試合に出ているのを見ると、応援してしまう」と菜々子さん。16年の選抜大会で高松商が準優勝したときには、通常の60グラムの5倍で顔より大きなメロンパンを焼いた。
ベースボールメロンパンは普段、週2回ほどのペースで販売。予約にも応じている。大会の開幕後は高松商の試合日に売るほか、勝った次の営業日は120グラムにして、同じ値段で提供するつもりだ。直也さんは「たくさん勝ってほしい。赤字覚悟です」。
ベースボールメロンパンの焼き上がりは午前11時ごろ。問い合わせは同店(087・861・8102)へ。
ファン歴50年、歯科医院の西岡さん
「ガンバレ!! 高松商高」。同店の向かいにある西岡歯科医院の入り口に、レトロなデザインのポスターが貼ってある。
40年ほど前、野球部後援会の有志が作ったポスターのコピー。同院の西岡忠文さん(81)が当時から、四国大会や甲子園に出る度に欠かさず貼っている。
1965年に同院を開業。丸亀高校の出身だが、野球が好きで、68年に高松商野球部の後援会に入った。治療中もラジオで試合の実況を聞き、医院を休みにして甲子園に行ったこともある。
82年まであった高松市立中央球場で県大会をしていた時は、チャンスやピンチが来ると、患者をそのままにして自転車で駆けつけた。「じっとしていられなかった。患者さんも優しかった」と振り返る。
当時は、高松商の周辺や商店街の至るところに応援のポスターがあった。今はほとんど見かけなくなり、珍しがられるように。選抜出場が決まってから、10人ぐらいにコピーをあげたという。西岡さんは「甲子園で高松商の試合を全て見たい」と、その日を楽しみにしている。(小木雄太)