(8日、高校野球 日南学園2―0丸亀城西)
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夏の甲子園、歴代最高の試合は? 投票ベストゲーム
丸亀城西・佐竹流星
憧れは山崎智也選手だ。
野球ではない。競艇選手にとって最高の栄誉である「グランプリ」を2度制した44歳の名レーサー。小学校低学年の頃から好きで、アイドル並みのルックスはもちろん、強気のレース運びにしびれた。
丸亀競艇場は自宅から約500メートルと歩いてすぐ。物心ついた頃から毎週のように連れていってもらった。メリーゴーラウンドを併設しており、両親はそこで遊ばせるつもりだったが、自分はレースにがっつり。鋭くカーブを曲がるスピード感、誰が勝つかのワクワク感。そして「あの低いエンジン音が心地良かった」。
漢字も競艇選手の名前で覚えた。自分もなりたかった。だが、小学卒業時で身長160センチほど。さらに伸びそうで「レーサーとしては大きすぎ」と諦めた。
中学、高校と野球が忙しくなっても、気持ちを盛り上げたい時は競艇場やテレビでレースを見る。今年4月末の練習中、左手親指を骨折。夏に間に合うか不安だったが、山崎選手のレースをスマホの動画で見て気分転換した。するりとトップにつく姿を見て「戻ったら前と変わらず積極的にいこう」と思えた。
6月末に復帰後は2番中堅が定位置に。バントのサインはあまり出ない。打って好機を広げる。積極性を売りにしたチームの象徴だ。
この日は4打数無安打。バットは思い切り振り切った。涙はない。「大学野球でも貫きます」。ボートから学んだ攻めの気持ちは誇りだ。(有田憲一)
●水野(丸) 香川大会で打率4割7分8厘の1番は4打数無安打。「あっという間に終わってしまった。試合展開が早く、ついていけなかった」