春場所で史上最多を更新する42度目の優勝を果たした横綱白鵬が、千秋楽から一夜明けた25日、大阪市内のホテルで記者会見に臨んだ。場所中に負傷しながらも全勝で締めた15日間を「(平成最後の)賜杯(しはい)には目に見えない重さがあった。その代償として腕一つとられた」と振り返った。
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前日の鶴竜との一番で立ち合い直後に右上腕の筋肉を痛めたが、最後は手負いの右手で投げにいった。「(勝つには)それしかなかった」。横綱戦で大けがを負ったかつてのライバル稀勢の里=現・荒磯親方=を引き合いに出し、「なんとなく稀勢の里の気持ちが分かります」と話した。
今後は数日安静にして状態を見極め、春巡業への参加を決めるという。また、8日目の栃煌山戦で古傷がある右ひざを痛め、2日間ほど痛み止めを飲んでいたことも明かした。
会見では、大関昇進を確実にした貴景勝にも触れ、「後半戦で苦しみながら、大関を自分に寄せ付けた。それが良いんです。そういう重圧をこれからは常に感じていくわけですからね」。直接対決の一番については「まわしをつかんだのは、私だけでしょうね」と横綱の意地をのぞかせた。
貴景勝の取り口にも話が及び「長く地位を務めるには、押し相撲一本じゃね」と指摘。先輩から後輩へのアドバイスとして「それなりに四つ相撲も覚えないといけないなと思います」とした。