中国で桜の名所として名高い湖北省武漢市の武漢大学で、和服に似た格好で桜を見に訪れた旅行者が警備員に暴行を受け、波紋を呼んでいる。武漢大には和服での桜の撮影を禁じる規定があり、インターネット上では「狭隘(きょうあい)な民族主義だ」などと大学を非難する声が上がっている。
中国メディアによると24日午後、はかまやげたのようなものを身につけて構内にいた瀋陽市から来た男子大学生ら2人が警備員と口論になった。ネット上で拡散した動画によると、警備員は大学生らを蹴ったり首を絞めたりし、周囲からの「なぜ和服を着て来たらだめなのか」との問いに、「なぜ漢族の服を着て来ないのか」と言い返す声も聞こえる。
武漢大の桜は1939年に旧日本軍が植えたのが始まりといわれる。当時の桜は枯れたが、72年の日中国交正常化後に田中角栄元首相ら日本側が寄贈するなどして1千本近くに増え、見頃のシーズンには混雑のため大学に事前申請が必要になるほどだ。
中国メディアによると、武漢大は00年代、桜の季節に和服で撮影することを禁じる規定を設けたが、理由は明示していない。
武漢大は25日に発表した見解…