インドネシアで4月17日に投開票される大統領選の選挙戦が、24日から本格化した。街頭活動や戸別訪問、テレビCMが解禁になった。再選を目指す現職ジョコ大統領に、元陸軍特殊部隊司令官で野党党首のプラボウォ氏が挑む2014年の前回選挙と同じ構図で、両候補は街頭で支持を呼びかけた。
ジョコ氏は24日朝、ジャカルタで同国初の地下鉄部分を含む都市高速鉄道(MRT)の開業式典に出席。インフラ整備は1期目の最大実績で、目玉事業のPRを選挙戦にぶつけた形だ。長袖のTシャツ姿でつり革を手に乗車し、駅を出た後は市民らのスマホでの撮影に気さくに応じ、初の庶民派大統領という親しみやすさを改めてアピール。聴衆は人さし指を一斉に掲げてジョコ氏の候補者番号「1」を表した。
夕方には有権者が多いジャワ島西部へ。イスラム保守派が強い地区で前回選挙では支持が広がらなかった。今回、副大統領候補にイスラム指導者を選んだことを強調し、「イスラム指導者と政府の融合だ」と訴えた。
プラボウォ氏は、中部スラウェシ島の2カ所で演説した。同島はジョコ氏を支えたカラ副大統領の地盤。プラボウォ氏は「我々の挑戦はインドネシアが勝つこと、豊かに繁栄すること」と有権者に語りかけた。(ジャカルタ=野上英文)