プロ野球開幕の29日、阪神の藤浪晋太郎投手(24)は兵庫県西宮市の2軍施設にいた。制球に苦しみ、7年目で初めて開幕の先発ローテーションから外れた。今は基本のキャッチボールを繰り返し、フォームの再構築に取り組んでいる。
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藤浪ら2軍の投手陣はこの日、本拠の鳴尾浜球場に隣接するグラウンドで練習した。キャッチボールや短距離走などのメニューを終えた選手たちが引き揚げる中、藤浪と安藤コーチだけが残った。
そこから約20分。藤浪はフォームを確認しながらキャッチボールを繰り返した。2月のキャンプ中に横手投げに近い位置まで腕を下げたが、今は上から投げている。振りかぶらないノーワインドアップで、上げた左足を小さく上下させ、2段モーションのようにも見えた。キャッチボールからフォームを固めている段階かと問うと、藤浪は「見ての通りです」と言った。
キャッチボールからやり直し
キャンプからオープン戦にかけては、開幕に間に合わせるために試行錯誤していた。腕を下げたのもその一つ。だが、右打者の内側に抜ける球が依然として多く、対外試合では相手が左打者を並べる傾向が続いていた。12日の中日戦でも相手の先発野手はすべて左打者で、結果は4回1失点も4四死球、2暴投。「自分自身にがっかりした」と語り、矢野監督との話し合いで2軍落ちが決まった。
晴れの日を2軍で迎えたことについては「改めて(の感想)はないです。落ちた時から分かっていたことなんで」。今後、いつ2軍戦で投げるかなどは本人に任されているという。「ある程度は(時期を)考えています」と言うが、開幕というリミットがなくなった以上、腰を据えてやるつもりなのだろう。キャンプ中はブルペンで一日200球以上を投げることもあったが、基本のキャッチボールからやり直していることからもそれは分かる。
阪神の1軍投手陣は西、ガルシアの補強もあり、現状で頭数は足りている。その状況も、一からの出直しを後押しする。仮に時間がかかったとしても、確かなフォームを手にして戻るのを待ちたい。(伊藤雅哉)