(29日、選抜高校野球 筑陽学園3―2山梨学院)
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筑陽学園(福岡)には、かつて甲子園をわかせた選手の「二世」が2人いる。親ゆずりの好プレーで、29日の山梨学院戦でも大歓声をあびた。
父は夏準Vのエース
同点の七回、先頭の福岡大真君(3年)が右中間を破る二塁打で出塁。2死二、三塁から中村敢晴君(2年)が左前に運び、福岡君を本塁に迎え入れた。
福岡君の父は佐賀商が優勝した1994年夏、準優勝した樟南(鹿児島)エースの真一郎さん(42)。家に飾られた準優勝記念のボールが、福岡君が野球に興味を持つきっかけだった。
野球を始めてすぐの小学4年生の頃。右利きの福岡君は父のアドバイスで左打ちに変えた。「打ちやすくなった」と福岡君。昨秋の公式戦でチームトップの3本塁打を放った。
真一郎さんは現在、チームのトレーニングを週1回指導する。2戦連続でアルプススタンドから息子を見守り、「がんばれと伝えてください」と目を細めた。
父は夏Vの主将
中村君は、92年夏に優勝した西日本短大付(福岡)の主将、寿博さん(44)を父にもつ。小学校に入る前から、寿博さんが野球部の監督を務める日本文理大(大分)のグラウンドで、兄の宜聖さん(18)=現ソフトバンク=と部員たちとキャッチボールをしてきた。敢晴君は「お父さんを超えるのが目標」といい、あえて父と兄と違う高校で甲子園優勝をめざす。
会う機会は少ないが、父からアドバイスを受けた一つが「ノーステップ打法」。足を高く上げずにタイミングをはかる。この日の決勝打は、2ストライクと追い込まれた後、この打法で放った。「お父さんの存在があって自分がある。教えてもらった打ち方でヒットが打ててよかった」(木下広大、角詠之)