軍事政権下のタイで先月あった総選挙で親軍政政党に有利になるよう不正をしたと、選挙管理委員会を批判していた民主活動家の男性が1日、何者かに車を焼かれる被害に遭った。本人は乗っておらず無事だった。別の活動家の男性への暴行事件も起き、男性らは「民主主義を封じようとする勢力のたくらみだ」と批判している。
車を焼かれたのは、エカチャイ・ホンカンワンさん(43)。1日午前1時過ぎ、自宅前にとめてあった車が焼かれ、ほぼ全焼した。選管委員の辞任などを求める署名用紙の一部もこげたという。警察当局は放火の疑いで捜査している。現場の防犯カメラには、何者かがフルフェースマスク姿で、フロントガラスに液体のようなものをかけ、火をつける様子が記録されていた。
エカチャイさんは前日の3月31日、バンコク市内で署名運動をしていた。朝日新聞の取材に、「真夜中に大きな物音で目を覚まし、外に出たら車が燃えていた。選挙の不正を指摘する我々を脅そうとする行為だ」と話した。
エカチャイさんは軍政下で民主…