シンガポール政府は1日、インターネット上で広がるフェイク(偽)ニュースを防止するための法案を国会に提出した。政府が虚偽と判断した情報の削除や訂正を求めることができる法案で、個人にも最大で禁錮10年など厳しい罰を科す内容だ。ネット企業や国際人権団体からは「表現の自由を侵す」と懸念の声が上がっている。
「オンラインの虚偽情報・情報操作防止法」と名付けられた法案では、何が偽の情報かを閣僚が判断。悪意を持って偽の情報を拡散した企業や団体には、最高で罰金100万シンガポールドル(約8210万円)を科す。個人には最高10万シンガポールドル(約821万円)と禁錮10年の両方、もしくは一方を科す。発信者が国外にいても刑罰の対象となる。
シンガポールは厳しい言論統制で知られるが、近年、ネット上には政権批判も現れるようになっていた。年内にもあるとみられる総選挙を前に、政府がこうしたネット世論の引き締めを図った可能性がある。
法案を発表した法務相は「標的は偽情報であって、表現の自由ではない。意見や批判は対象にならない」と説明した。
だが、フェイスブックやグーグ…