米中通商協議の妥結を図る首脳会談の開催を目指し、3日、ライトハイザー通商代表と劉鶴(リウホー)副首相による高官級協議がワシントンで始まった。交渉は最終局面に入っているだけに、懸案は中国の知的財産侵害やデータの扱いなど、米中対立の核心となる難しい課題が中心で、数日間にわたって詰めの協議を進める。
カドロー国家経済会議議長は3日の講演で、「劉鶴は3日間か、もしかするとそれ以上滞在する。合意にはまだ至っていないが今週で近づきたい」と述べた。
今回の協議は、3月28~29日に北京で開いた協議を引き継いで再開した。米ウォールストリート・ジャーナルによると、前回の協議では、中国国内で集めたデータの国外への持ち出しを規制するサイバーセキュリティー法なども議題となった。米側はデータ規制や知財侵害を、米中の覇権争いのカギを握る争点と位置づけている。すでに発動した追加関税の扱いを含め、合意の実行を確実にするための枠組みづくりが焦点だ。
トランプ氏は1月から早期の首脳会談に前のめりな意向を示し、2月には「おそらくかなり早く、3月中に(フロリダ州の自らの別荘)マール・ア・ラーゴで」開くと述べていた。見通しに反して高官級での合意も遅れ、米ブルームバーグ通信によると、中国側は米国外での首脳会談を望む意向も示しているという。(デンバー=青山直篤)