韓国・江原道(カンウォンド)で4日、大規模な山火事が相次いで発生し、5日午前までに1人が死亡し、約4千人が避難した。全国から集められた消防車が消火活動を続けているが、これまでの焼失家屋は125戸に上った。政府は大規模な災害時に発令する「国家災難事態」を宣言した。
韓国気象庁などによると、空気の乾燥が続いていたことに加え、強風により火災が発生しやすい条件が重なった。被災地一帯では、最大で台風並みの秒速30メートルの風が吹いていた。韓国行政安全省は、ガソリンスタンドの向かいにあった変圧器が火災で爆発し、被害が拡大したとみている。
火災が一時、人口約8万人に上る江原道の中心都市、束草(ソクチョ)市に迫ったため、地元の教育庁は5日、すべての学校を休校とした。携帯電話の基地局も被害を受け、通信障害が起きている。時代劇の撮影所で、日本からの観光客も訪れる「雪岳(ソラク)シネラマ」も全焼したという。
文在寅(ムンジェイン)大統領は5日未明、早期の消火を指示した。(ソウル=武田肇)