米航空機大手ボーイングは9日、1~3月に納入した商用機が前年同期より19%減って計149機だったと発表した。同社の受注残の8割を占める主力小型機「737MAX」が相次ぎ墜落事故を起こし、3月半ばから納入を見合わせたことが響いた。事故の影響は4月以降さらに本格化する見込みだ。
737MAXが大半を占めるとみられる737シリーズは、前年同期比33%減の89機となった。エチオピアで3月10日に2機目が墜落した後、世界の航空当局が737MAXを運航停止にしたことを受け、ボーイングは同型機の航空会社やリース会社への出荷を見合わせている。運航停止が解除されるメドは立っておらず、737MAXは4~6月は納入ゼロになるとの見方も浮上している。
ボーイングは5日、事故後もペースを維持してきた737シリーズの生産を近く2割減らすと発表。ゴールドマン・サックスなど米証券大手はボーイング株の評価を相次ぎ引き下げた。減産発表後、ニューヨーク市場ではボーイング株の下落が続いており、9日までの2営業日で計6%近く下げた。(ニューヨーク=江渕崇)