米アマゾンは14日、現在の本社のシアトル以外にニューヨーク市とワシントン郊外の2カ所に「第2本社」を置くとしていた構想に関し、ニューヨーク市については断念すると発表した。代わりの候補地探しはせず、ワシントン郊外には計画通り設置を進めるという。
断念の理由については、「たくさんの州や地元の政治家たちが、私たちの進出に反対すると共に、計画を進めるのに必要な関係を築く考えがないことを明確にした」とした。ニューヨークでは、自治体側が計15億2500万ドルの優遇措置を提供することになっており、住民や政治家から「優遇が大きすぎる」と反対論が高まっていた。
アマゾンは2017年9月に、「第2本社」を置く場所を募る、と発表。立候補した都市や地域は238に上り、自治体側は優遇措置を競い合った。1年余りの選考を経て、昨年11月にニューヨークと、バージニア州アーリントンに置いて、それぞれで2万5千人を雇用すると発表した。(サンフランシスコ=尾形聡彦)