阿蘇山が約2年半ぶりに噴火した。
阿蘇山の火山活動を研究している京都大学火山研究センター(熊本県)の大倉敬宏教授によると、3月以降、1日あたりの火山性ガスの噴出量が、通常より多い2千~8千トン以上の日が続いていた。火口に雨水がたまってできた「湯だまり」も、通常の1割程度まで減るなど、火山活動が高まっていたという。
一方、大きな地殻変動などは確認されていないといい、大倉教授は「二酸化硫黄などの火山性ガスに火山灰が混じって噴き上がったとみられ、爆発的な噴火ではない。今のところ大きな噴火につながる兆候はみられない」と話す。
周辺市町村は情報収集に追われたが、阿蘇山北側の阿蘇市によると、噴火の様子は市内からはわからないといい、降灰などの被害の報告もないという。
南東側のふもとで、これまでも降灰被害に遭ってきた高森町でも、被害の報告は寄せられていない。同町総務課では噴火発生時、統一地方選の事務作業で5~6人の職員が残っていたが、噴火の速報を受けて急きょ、被害情報などの確認に追われた。