関西電力の原発で火山の降灰量を過小評価していた可能性がある問題で、原子力規制委員会は17日、降灰量の想定を従来の約2倍に引き上げた関電の再評価を大筋で了承し、追加の対策が必要かどうか再び審査する見通しになった。噴火の緊急性は低いとして運転の停止までは求めていない。
関電は、福井県にある美浜、大飯、高浜の3原発で降灰量を10センチと想定して対策をとっている。だが、過去に鳥取県の大山で従来より大規模な噴火があったとする新たな知見が得られたため、規制委が再評価を命じていた。
関電は、降灰量を高浜で約22センチ、大飯で約19センチ、美浜で約14センチなどと見積もった上で、現状のままでも施設は十分耐えられると結論づけた。規制委は今後、改修工事や非常用ディーゼル発電機のフィルター交換などが必要かどうか詳しく確認する。
一方、関電はこの規模の噴火が原発の運用期間中に起きる可能性は低いとして、本来なら考慮する必要はないと主張したが、認められなかった。(川田俊男)