米国によるイラン産原油の全面禁輸措置の発表を受け、菅義偉官房長官は23日午前の閣議後会見で、「日本へのエネルギー供給に影響が出ないよう、関係する日本企業ともしっかり意見交換を行い、必要な対応を検討していきたい」と述べた。
週明け22日のニューヨーク商業取引所では、原油価格の指標とされる「米国産WTI原油」の先物価格が大幅に上昇した。前週末比1・70ドル(2・7%)高い1バレル=65・70ドルで取引を終え、ほぼ半年ぶりの高値水準となった。
米トランプ政権はこの日、イラン産原油の禁輸制裁をめぐり、日本など8カ国・地域に認めていた適用除外措置をやめると発表。輸入を続ければ米国による制裁措置の対象となる。米政府はサウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)とともに原油の安定供給に努めるとしているが、市場では供給が細ることへの懸念が強まった。
原油価格は昨年12月に40ドル台前半の安値をつけた後、中国など世界経済の先行き不安が和らいだことを受けて上昇傾向だった。来月以降は米国のドライブシーズンが本格化し、原油需給の逼迫(ひっぱく)が当面続くとの見方がある。(岡村夏樹、江渕崇)