産業革新投資機構(JIC)の高額報酬を認めなかった経済産業省が、自ら主導して設立した前身の官民ファンド、旧産業革新機構(旧機構)では高額の成功報酬制度を設けていた。実際に成功報酬が支払われたのは、国策による救済色がにじむ投資案件で利益が出た年だけだった。公の業務を通じて高額の成功報酬を手にする是非が問われる。
JIC前身ファンドでも高額報酬 退職後には最大7億円
産業育成を目的に2009年に設立された旧機構は、当初から成功報酬の導入を検討していた。09年6月の経産省告示には「役職員の賞与を業績連動させる」とある。設立にかかわった経産省幹部は「霞が関の不文律で固定給は事務次官の報酬(年約2300万円)を超えられない。民間から人を集める以上、成功報酬をつくらないと人が来ないと思った」と明かした。事務次官の報酬が上限では、高報酬の民間ファンド出身者らを採用するのは難しいというわけだ。
旧機構は国内の民間ファンドを…