三井住友銀行は、個人客にどれだけの金融商品を売るかの数値目標を今年度から撤廃した。本部から支店などに割り振っていた販売目標をなくすため、この目標額をもとに支店長らが行員に課した「ノルマ」も事実上なくなることになる。
ノルマは販売を伸ばす原動力の一つになった一方で、目標達成のために無理な勧誘をする事態も招いた。金融庁の求める「顧客本位の業務運営」に対応し、顧客に投資信託などを次々に買い替えさせて手数料を稼ぐ回転売買を評価しない姿勢を鮮明にする。顧客ニーズに合ったサービスをしているかどうかで行員を評価する体系に転じる。
今後は顧客の持つ金融資産をどれだけ増やせたかなど、運用資産残高の増減で評価する。現金を介さないキャッシュレス決済拡大につながる営業や、新規客開拓など、銀行本体や店舗の価値を上げる取り組みも評価対象にするという。