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不動産融資がバブル期並みに「過熱」 日銀が指摘

金融機関による不動産業向け貸し出しが1980年代後半のバブル期並みに「過熱」している、と日本銀行が17日に発表した「金融システムリポート」で指摘した。今後の不動産市場の動向が銀行に与える影響を注視していくとした。


昨年10~12月の不動産業向け貸出残高は、国内総生産(GDP)比で14・1%。過熱でも停滞でもないとされるトレンド(12・8%)を大きく上回った。バブル経済が崩壊する前の90年末以降初めて、過熱と判断した。


低金利が続くなか、利ざやを求めて地方銀行を中心に不動産業向け融資を増やしたことが背景にある。新規貸し出しは最近1~2年間減ったが、賃貸業向けの貸出期間が長いものが多いため、残高が増えている。特に、地銀は融資額全体に占める不動産業向けの割合が上がっているという。


ただ、日銀はリポートで地価に関する指標などにも触れ、「不動産市場全体がバブル期のような過度に楽観的な成長期待に基づく過熱状態にあるとは考えにくい」とも指摘した。


また、中長期的な地域金融機関の経営状態の試算も公表。企業などの借り入れがこれまでのペースで縮小すると想定した場合、10年後に全国の地方銀行の58%、信用金庫の53%と半数以上の金融機関で純損益が赤字に陥るとしている。


5年後にリーマン・ショック級の景気悪化に見舞われた場合、地銀の中核的な自己資本の割合を示すコア資本比率が9・6%から6・5%まで低下すると指摘。収益力を上げるような取り組みを求めた。(湯地正裕)


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