ワシントンで開かれていた主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は12日午前(日本時間13日未明)、閉幕した。日本は議長国として、世界的な「経常収支の不均衡」を主要議題にすえた。通商摩擦の要因になっている米国の赤字体質について多国間で議論することで、米国と中国などの保護主義的な通商紛争を和らげる狙いだ。
モノやサービスの取引の差額を総合的に示す「経常収支」は、米国が赤字を出し続け、欧州やアジアの国々が黒字をため込む構造が続いてきた。トランプ政権は貿易赤字を問題視し、関税で是正しようとしたが効果を上げていない。麻生太郎財務相は会見で「二国間の貿易摩擦ではなく、多国間の問題として議論していくことが必要だ」と述べた。
今回は当初から共同声明の発表は予定されておらず、6月に福岡で開く次回の財務相・中央銀行総裁会議で議論を深め、共同声明を出す方針だ。(ワシントン=岩沢志気、青山直篤)