長期金利の指標である新発10年物国債の流通利回りが、マイナス圏で推移し続けている。住宅ローンの参考にもなる数値だ。24日の東京債券市場では、10年物新発国債は前日より0・01%幅低い、マイナス0・045%まで下がった。米国金利の低下が直接の理由だが、債券市場の動きから見えるのは根強い世界景気の減速懸念だ。
投資家にとって、国債は比較的安全な資産とされる。米中貿易摩擦の懸念などから昨年末、世界の金融市場は大きく混乱した。株価は大きく下落し、債券を買い求める動きが高まった。債券価格が上がると金利は下がるため、利回りはマイナス圏に沈んだ。
しかし、年明けからは世界経済に対して次第に楽観的な見方が増え、投資家が積極的に買いに動く「リスクオン」の動きが強まっている。実際、24日の東京株式市場では、日経平均株価が取引開始直後に前日より100円超も値上がりし、17日につけた年初来高値(2万2277円)を上回る場面もあった。それでも、長期金利はマイナスのままで推移している。
もちろん、長期金利が低く推移…