107人が死亡、562人が負傷したJR宝塚線(福知山線)脱線事故から25日で14年になる。24日夜、兵庫県尼崎市の事故現場で、約600本のろうそくをともして犠牲者を悼み、鉄道の安全を願う「追悼のあかり」があった。
電車が衝突したマンション東側の会場で、遺族らがろうそくを入れた容器に「安らかに安全を見守って下さい」「命を大切にする社会を」などと思いを書いて並べ、「わすれない」の文字を浮かび上がらせた。
企画した上田誠さん(52)=大阪府八尾市=は事故で義弟を亡くした。「現場は当時の面影がすっかりなくなり、事故が忘れられないか怖く感じる。『あかり』を続けていかないといけないと改めて思った」と話した。
JR西日本が主催する25日の追悼慰霊式は、昨年9月に「祈りの杜(もり)」として整備が完了した現場で初めて開かれる。事故が起きた時刻と同じ午前9時18分に黙禱(もくとう)を呼びかける。式典は同40分から。一般献花は午後1時から受け付ける。(千種辰弥)