天皇陛下のテニス仲間 織田和雄さん
【特集】両陛下「祈りの旅」をたどる
【特集】平成から令和へ
お二人の長野・軽井沢でのテニスコートでの出会い(1957年)からご結婚のお手伝いをさせていただきました。天皇陛下と祝杯をあげ「いろいろとありがとう」と言われてから、60年以上が経つんですね。
陛下はプロポーズの際、「公が優先で私事は後。お助けできないこともあるかもしれない」というようなことをおっしゃったんです。でも、そのような場面はなかった。今年2月の在位30年の式典で、おことばを読む陛下を皇后さまがお助けしていました。あれが昔からのお二人なんです。テニスで「おねがーい」と声を掛け合い、呼吸を合わせてプレーする姿と重なりました。
私は皇后さまの次に、陛下とテニスをしている回数が多いかもしれません。対戦とペアを含め、100セットはいくでしょうか。陛下は「テニスで自信がついた。やっていて良かった」と話されていたことがあります。テニスを通じて海外の要人ら多くの人と交流し、大いに視野を広げたのではないでしょうか。
私にとって、兄のような一面もあります。80年代、ワープロの時代になると漢字を忘れてしまわないか心配と申し上げたら、「人間には知恵があるから、そんな心配しなくてもちゃんと乗り越える力を持っている」と諭されました。
陛下から「退位」という言葉を…