平成最後の日となった4月30日、大相撲の横綱白鵬が令和への思いを語った。春場所の優勝インタビューで三本締めを先導して日本相撲協会から処分されたことに改めて「勉強不足だった」と反省を示しつつ、「新しい元号。自分も変わらなきゃいけない。大人にならなきゃいけない。新生・白鵬を見せられれば」と意気込みを口にした。
前人未到の42度の優勝を積み上げた平成。一番の思い出を聞かれて挙げたのは、一つの黒星だ。2010年九州場所2日目。双葉山の69連勝に挑みながら、当時平幕の稀勢の里に「63」で止められた。「悔いが残る。でも、あの黒星があったから、頑張らなきゃいけないと思えた」
角界の不祥事の影響で、優勝しても賜杯(しはい)を受け取れなかった9年前の名古屋場所後、天皇陛下の白鵬に対するねぎらいと祝意を伝える侍従長の書簡が日本相撲協会に届いた。その陛下が観戦した「天覧相撲」を白鵬は横綱として6度経験し、すべて勝った。「感謝の気持ちがあるからこそ、負けなかった。一生忘れないことになりますね」と話した。(鈴木健輔)