10連休の売り上げは「期待外れ」――。百貨店大手4社が7日発表したゴールデンウィーク(GW)の売上高は、前年の同時期に比べて伸び率が1割に満たず、想定を下回った。例年になく長いGWだったが、百貨店は追い風を生かし切れなかったようだ。
大丸松坂屋百貨店を傘下に持つJフロントリテイリングの売上高は7%のプラス。4千円前後の高額な弁当や「令和」と焼き印されたお菓子といった食品が好調だったが、全体では想定を下回った。「休日が昨年より3日増えたことを考えれば、売り上げはもっと上がったはず。連休前半は客足も好調だったが、休みが長すぎたのか後半まで続かなかった」と広報担当者。連休中は外商が営業活動をしないため、富裕層による消費も伸びなかった。
3%増だった三越伊勢丹ホールディングスは、伊勢丹新宿本店などに地方からの新規客がめだった半面、天候が崩れた連休前半に夏物衣料品が不振だった。広報担当者は「連休の売り上げはもう少し上がると期待していた」とこぼす。
そごう・西武は、売り上げの伸びが1%に満たなかった。連休後半に売り上げが伸びるとのもくろみが外れた。広報担当者は「旅行などで連休をぎりぎりまで楽しむ人が多かったのが要因だと思う」と分析する。高島屋は入店客数が1割前後増えたものの、売り上げの伸びは数%にとどまったという。(高橋末菜)