「父の日」の6月16日に向けた商戦が本格化してきた。百貨店や量販店などで売れているのが男性用の「日傘」だ。最近は売り場を本格展開する店も増えている。今年は早くも真夏日を記録したことから、自身のために買い求める人もいる。
西武池袋本店(東京都豊島区)の紳士雑貨売り場には、ビジネススーツを着たマネキンが傘をさし、男性向けの晴雨兼用傘をPR。年配の男性客は「傘で温度が2、3度違うと聞いた」と、早速購入していた。
今年の売れ行きは「爆発的」(担当者)といい、昨年より1.5倍超に販売本数を増やしている。販売状況によりさらに本数を増やす考えだ。自分用にも買う需要も見越して、今年5~6月の男性向け晴雨兼用傘の売り上げは前年同期の2割増を目指す。
イオンも男性向け晴雨兼用傘を本格展開している。5月中旬までの1カ月間の販売本数は前年の3倍超という。黒やネイビーなど定番色のほか、裏地にシルバーの生地を使い遮光性を高めたものも人気。父の日商戦で、さらに販売を増やしたい考えだ。
日本記念日協会では、今年の父の日商戦の市場規模は昨年より4%増の605億円と推計。昨年まで4年連続で市場が拡大していて、「父の日」の存在感も高まっている。