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がん専門医はユーチューバー 治療解説や講演会を公開

作者:佚名  来源:本站原创   更新:2019-5-10 11:07:54  点击:  切换到繁體中文

 

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「ヒカキン」「はじめしゃちょー」……。小学生のなりたいランキング上位にも入る「ユーチューバー」に挑戦しているがん専門医がいます。腫瘍(しゅよう)内科医の押川勝太郎さん。主治医とは別に治療や診断についてがん患者や家族にアドバイスする「セカンドオピニオン」や治療解説などに力を入れています。公開した動画はこの2年間で180本。時に旅先でも動画を撮影する、その熱意の源とは。


医療のフェイク情報の広がりを防ぐために、できることは




公開セカンドオピニオン講演会で、患者の質問に答える押川勝太郎さん=東京都内



――これまでに人気のあったのはどんな動画ですか。


「がん治療に、玄米療法と糖質制限食は危険だ!!『がん治療における食事療法の落とし穴』partⅡ」というものです。再生回数は3万回にのぼりました。玄米療法と糖質制限、いずれの食事療法とも、科学的裏付けが乏しいことを指摘しました。がん患者にとって食事制限などせず、体重や筋力を維持して抗がん剤治療に耐えられる体を保つ大切さを訴える内容です。


・<がん治療に、玄米療法と糖質制限食は危険だ!!「がん治療における食事療法の落とし穴」part II>(


https://youtu.be/4pzyFNEACxU




――どんな反応がありましたか。


ふつうは、9割ぐらいが「いいね」の反応ですが、この動画は4割ぐらいから「よくないね」ボタンが押されました。安易ながん食事療法を信頼する人が多いためかもしれません。「このような医者がいるから治らないんですね」「あんた自分ががんになってみろ」などといったコメントもありましたね。こうした一般と専門家の認識の違いなどについて、今年3月に日本胃癌(がん)学会のセッションで発表させてもらいました。


このほかにも、抗がん剤治療や、膵(すい)がん手術をテーマにした動画が1万~2万回の再生回数を数えました。


・日本胃癌学会セッションでの発表内容(


https://ameblo.jp/miyazakigkkb/entry-12443821864.html




・病院では教えてくれない抗がん剤治療の新常識2018 webセミナー(


https://youtu.be/sLa5ZF4Cgyg




・膵がんが疑われたが手術したくない、どうする?Q&A#31(


https://youtu.be/W77DG3Mk-rU




公開セカンドオピニオン講演会を開催


――そもそも、ユーチューブではどんな活動をしているのでしょうか。


私はセカンドオピニオン講演会を月1回、東京都内で開いています。患者や家族はもとより、がんや医療とはまったく関係のない人でも参加できます。この様子を動画で公開しています。


講演会の日程は事前に私の公開ブログなどでお知らせしています。前半はがん治療を受けるうえでのコツを参加者に解説します。後半はライブ中継。相談者の名前や姿は出ませんが、じかに対面して主治医に質問しづらい相談内容について意見を話します。治療薬の選択や副作用の悩みから、科学的な裏付けのない民間治療に走る患者家族の相談など、内容は実にさまざまです。この春で30回を数えます。動画は編集して後日でも見られるようにしています。


・押川さんのブログ「がん治療の虚実」(


https://ameblo.jp/miyazakigkkb/




――講演会の動画と、がん治療の解説動画があるのですね。


セカンドオピニオン講演会をはじめ、2分~2時間のユーチューブ動画をつくってきました。合計180本になります。総視聴回数は約58万回でした。ユーチューブというと、若い人が見るという印象がありますが、視聴者年齢を見ると、ほとんどが50歳以上。65歳以上の高齢者も3割もいたのは、ちょっと驚きでしたね。


――編集など大変ではないですか。


会場の設営などは毎回、知り合いのがんサバイバーの薬剤師さんに手伝ってもらっています。広島や神戸など、学会参加のついでに遠征開催したこともあります。録画した動画は、字幕化は外注していますが、編集やユーチューブの動画アップなどは全部自分でやっています。


患者同士の体験共有も


――ユーチューブを始めるきっかけは何だったのですか。


当時、宮崎大学病院で腫瘍内科の外来をしていたのですが、とにかく忙しくて手が回らなかった。本来、抗がん剤治療は患者も治療の意味を十分に理解しないとできない医療です。時間が足りないので、週末に患者を集めて説明会を開き始めたのが最初です。2009年ごろかな。患者が治療について知識を深めれば、病院に頼らず自分で微調整して生活と共存させられます。参加した患者同士が体験をアドバイスし合うこともできます。


通常の外来でも「この問題については、この動画を見てみてください」と言えるような体制をつくりたいたと思っていました。もともと学会発表で、パソコン作業は職業柄慣れているので始めてみました。最初は反応は少なかったのですが、徐々に手応えが得られるようになりました。




今年開催した公開セカンドオピニオン講座のユーチューブ画面。慶応大の研究者と連携して胃がんスペシャルと銘打った



がん治療界も、FBや動画のような新しいテクニックをもっと活用していくべきだと思います。ピンポイント的なアドバイスはすぐに陳腐化しますが、問題に対処する能力を患者さんに習得してもらうことで、自分で行動する力を養ってもらえれば、双方の時間の節約や貢献にもなります。最近は、学会でもユーチューバーとして報告することがあります。浮きまくるかなと思っていましたが、意外に座長から「感銘を受けました」と言われたりすることもあります。


アクティブ緩和ケアを提唱


――「アクティブ緩和ケア」という考え方を提案されていますが。


みなさん、がんの予防には関心あるけれど、がんになったときのことを考える機会はあまりないのでは。国立がん研究センター(東京)の研究では、男性の防げるがんの発生原因の3割が喫煙によるものです。女性のがんの2割近くががんの原因になるウイルスなどの感染によるものです。一方で、野菜や果物の摂取不足、運動不足は1%以下です。「○○を食べたらがんを防げる」などという宣伝を見ることもありますが、がん全体の発生原因は3分の2が遺伝子異常で起こりますから、がんの予防に、確実な対策はないのです。


ですから、早期にがんに対する知識を深めておいて、いざ自分ががんになったときに、動揺や混乱を抑えインパクトを和らげることができるようにしておく医療という意味で「アクティブ緩和ケア」を提案しています。


・国立がん研究センター「がん情報サービス」



https://ganjoho.jp/public/pre_scr/cause_prevention/evidence_based.html




緩和ケアというのは終末期の医療だという印象がまだまだすごく強くて印象が悪い。本来はがんと診断されてから、副作用にとどまらず、生活の質を保つためのものです。「アクティブ緩和ケア」は、緩和ケアをさらに進めるものだと思っています。


――ご自身も、がんについては小さいときから興味があったのですか?


もともと一般向けの書籍「家庭の医学」が愛読書だったのですよ。2、3歳のころから解剖図がおもしろくて、それを見て親を質問攻めにしたりしていたようです。昔の「家庭の医学」って、治療法がなかったり成功率は低いとかいった厳しい内容が平気で書いてある。そういうのをずっと読んでいたので、中学のころなどは、舌がしびれたり、あごに何かしこりがあったりすると「がんじゃないか」ってノイローゼのようになった時期があります。僕らのころはテレビ番組でも山口百恵さん主演の「赤いシリーズ」とか、主人公ががんに悩む番組もあったじゃないですか。心配で心配でしょうがありませんでした。


――そんな体験から医者になろうと思ったのですね。


小学3年ぐらいには、「医者になる」と作文などで書いていましたね。いままで医者以外の職につくことはまったく考えたことはありません。でもまあ、集中力がなかったので、6浪して医学部に入ったのは24歳のときでしたが。




押川さんが公開するユーチューブの画面。期間限定でがん治療の舞台裏を解説することもある。



当初は救急が好きで循環器内科が志望でした。でも医局の都合で老人病院に配置され、消化器内視鏡がおもしろくなったので、勉強のために千葉県柏市にある国立がん研究センター東病院で修行しました。そこでは消化器内視鏡部の医師が化学療法を病棟でやっていてびっくりしたのが抗がん剤治療にふれた最初です。人工呼吸器が装着された食道がんの寝たきりの患者さんが治って歩いて帰っていくのを見て衝撃を受け「なんて地方は遅れているんだ」と思いました。そして抗がん剤もちょこちょこ始めました。


約20年も前のことです。当時は腫瘍内科という診療科もないし、抗がん剤治療は外科が手術後にお茶を濁す程度にやるというような印象でした。内科の出る幕はありませんでしたが、次第に、最初から抗がん剤治療をして患者にとって治療の意味があることもわかってきてガイドライン整備されていきました。


20年、30年前は抗がん剤の患者の苦悩のトップは嘔吐(おうと)や悪心でしたが、いまは改善され、「家族への影響」など生活の質の向上が課題です。治療だけでない、よりよく暮らせるよう手助けをしていきたいと考えています。



押川勝太郎さん


1965年生まれ 抗がん剤治療と緩和医療が専門。宮崎大学医学部卒。国立がん研究センター東病院研修医を経て、2002年に宮崎大第一内科で抗がん治療部門をスタートさせる。宮崎善仁会病院の非常勤医。NPO法人宮崎がん共同勉強会理事長。(聞き手・服部尚)


〈押川さんは、公開セカンドオピニオンを編集して短くした動画もアップしている。過去の動画の一部は以下の通り〉


がん治療ではQOLを重視する事が実は延命につながる


http://hut-ex.com/Lb2734/1s21



抗がん剤の副作用が出やすいのはどんな人?


http://hut-ex.com/Lb2734/2s21



抗がん剤継続の意外な盲点とは


http://hut-ex.com/Lb2734/4s21



がん患者はなるべく救急病院を受診しない方が良い理由


http://hut-ex.com/Lb2734/5s21



がんの余命宣告の本当の意味は?


http://hut-ex.com/Lb2734/6s21



新薬の抗がん剤に備えて今できることは何?


http://hut-ex.com/Lb2734/7s21



古い抗がん剤を使う事はありか?


http://hut-ex.com/Lb2734/9s21



がんはなぜすぐ余命の話になるのか?


http://hut-ex.com/Lb2734/10s22



がん治療が効かなくなったら?


http://hut-ex.com/Lb2734/11s22



統合医療が好まれる隠れた理由


http://hut-ex.com/Lb2734/12s22



大腸がん抗がん剤の減量を求めて良いのか?


http://hut-ex.com/Lb2734/13s22



乳がんステージIVどう生きていけば良いのか?


http://hut-ex.com/Lb2734/14s22



原発不明がんはどうすれば良い?


http://hut-ex.com/Lb2734/15s22



がん手術後の体重維持はどうすれば良いのか


http://hut-ex.com/Lb2734/16s22



肺がんで抗EGFR薬剤の副作用と休薬、再開の兼ね合いの心構えは?


http://hut-ex.com/Lb2734/17s22



統合医療とは何か?その位置づけは


http://hut-ex.com/Lb2734/18s22



卵巣がんで標準治療を越える治療のメリットとデメリットについ



http://hut-ex.com/Lb2734/19s22




 

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