防衛省は陸上自衛隊の輸送機オスプレイについて、千葉県木更津市の陸自木更津駐屯地に来年3月、暫定配備する方針を固めた。今月にも同省幹部が地元自治体に説明する。配備先は佐賀空港を想定しているが、地元漁業者との調整が難航。そこでいったん木更津に配備し、協議が調えば佐賀に移す考えだ。
防衛省は尖閣諸島など南西地域の防衛体制を強化するため、2018年に長崎県の相浦駐屯地に水陸機動団を発足させた。こうした部隊を有事の際に移送するため、佐賀空港の西側に駐機場や格納庫などを設置。21年度までに米国からオスプレイ17機を導入する方針だ。日本側に納入済みの5機は現在米国に置かれている。さらに、4機が年度内に納入される予定という。
佐賀県の山口祥義知事は昨年8月にオスプレイ配備を受け入れる方針を表明したが、施設用地の地権者である漁業者を中心に反対が根強い。このため防衛省は、米軍オスプレイの整備拠点になっている木更津駐屯地への暫定配備を検討していた。ただ、木更津の地元でも恒久的な配備になるのではないかとの懸念が出ている。
オスプレイはヘリコプターとプロペラ機の特徴を併せ持つ輸送機。プロペラを上に向ければ垂直離着陸ができ、前に向ければプロペラ機のように速く飛べる。米軍は普天間飛行場(沖縄県)や横田基地(東京都)に配備している。