「ゲーム感覚で毎日3万円稼げる」などと虚偽の広告で顧客を勧誘し、アプリ入手のために金銭を支払わせていたとして、消費者庁は17日、消費者安全法に基づいて「CCS」(東京都中央区)の社名を公表し、消費者に注意を促した。
同庁によると、CCSは「1年後1080万円完全保証」といった広告をSNSなどに掲載。勧誘された顧客に無料アプリで仮想通貨の取引を疑似体験させ、有料会員が使えるアプリなら確実に稼げるとうたっていたが、実際はそのような仕組みにはなっていなかった。また、インターネット上で、月収90万円や150万円だと紹介した人物は、いずれも演者で、動画に登場した「南栄作」は、同社代表の30代男性が演じた架空の人物だった。
消費者庁に対し、同社代表は「昨年8~10月にアプリを販売し、約2千人から3億3千万円を売り上げた」と説明したという。消費生活センターには、同社に関わる相談が今年3月までに計118件寄せられ、50代、60代が30件ずつで最も多かったという。
消費者庁は「虚偽体験談を掲載する業者もいる。甘い言葉にだまされないで」と注意を呼びかけている。(荻原千明)