日米で通算134勝を挙げるなどして活躍したプロ野球・巨人の上原浩治投手(44)が20日夕、東京都内で記者会見を開き、現役引退を表明した。「これまで自分に関わってくれた方々、みんなに感謝したいと思います。本日をもって現役生活を終えたいと思う。ありがとうございました」と、涙ながらに話した。
上原は紺色のスーツ姿で、報道陣約150人が集まった会場に姿を見せた。一礼すると、何度もハンカチで涙を拭い、「今年でやめることは最初から決めていた。3カ月が勝負だと思っていたが、一度も1軍に上がれなかった。心と体が一致しなくなった」と、引退の理由を語った。
上原は大阪府寝屋川市出身。大阪・東海大仰星高では控え投手で、1年浪人して大阪体育大に入学。1998年秋のドラフト1位(逆指名)で巨人に入団した。1年目の99年に20勝4敗、防御率2・09、179奪三振で最多勝、最優秀防御率、最多奪三振のタイトルを獲得。新人王と沢村賞にも選ばれ、自身の座右の銘「雑草魂」が流行語大賞を受賞した。
08年オフにフリーエージェント(FA)宣言をして、大リーグ・オリオールズへ移籍。4球団を渡り歩き、レッドソックスに在籍していた13年は、抑え投手としてワールドシリーズ優勝に貢献した。昨年、10年ぶりに巨人へ復帰し、同年7月に日本選手では史上初となる日米通算100勝100セーブ100ホールドを達成した。そのオフに左ひざを手術し、一度自由契約になったが、巨人と再契約。今季は1軍での登板はなく、2軍で調整を続けていた。(山口裕起)