厚生労働省の部会は24日、不妊治療の受精率を高めるために、未成熟な卵子を体外で育て、精子と受精させる研究を了承した。大阪府内のクリニックが2017年に申請していた。研究目的で受精胚(はい)の作成が認められるのは、11年の倫理指針施行後、初めて。
受精胚は子宮に戻せば、人として生まれる可能性があるため、研究用に作ることを国は原則禁止している。04年、不妊治療など生殖補助医療に関わる研究に限って作成を容認。11年に、研究ごとに国が審査するなどのルールを定めた倫理指針を作った。
今回承認された研究は、未成熟な卵子を体外で培養液に入れて成熟させる「体外成熟培養(IVM)」という技術の向上が目的。様々な条件で培養し、体内で成熟した卵子と同程度の受精率になる培養法の開発をめざす。期間は4年で、夫婦から同意を得て、生殖補助医療のために採取した後に残った卵子や精子を研究に使う。申請したクリニックによると、研究では300個の受精胚を作り、研究後は子宮に戻さず廃棄するという。
IVMは、卵巣の中で未成熟な…