曺永台・ソウル大学人口政策研究センター長
――女性が一生に産む子の数を示す合計特殊出生率が、韓国は2018年に0・98と初めて1を割りました。
「ありえないことが起きている。1を下回る事態は社会の急激な変化、例えば東欧で共産主義政権が崩壊した際に起きた。ただ、1年ほどですぐ回復した」
――韓国は違いますね。21年には0・86まで低下すると政府が推計しています。
「他の先進国と全く違う形で進んでいる。人間の基本的な本能に生存と再生産があるが、生存できない状態では再生産も考えられない。韓国では子を産み育てる年齢層の生存が脅かされている」
――生存が脅かされる?
「最も深刻なのが競争だ。約8…