「就職氷河期世代」とされる30代半ばから40代半ばの世代が安定した仕事につくための支援策を29日、厚生労働省がとりまとめた。今後3年間を集中的な支援期間とし、正社員として雇った企業への助成金の拡充や企業や自治体と連携しての職業訓練などが柱。政府は今夏にまとめる「骨太の方針」に盛り込み、数値目標を設けて達成をめざす。
新卒重視の採用慣行が続く中、バブル崩壊後の1993~2004年ごろに大学や高校を卒業した世代は、新卒時に正社員として採用されず、不安定な働き方を続ける人が多い。この世代とほぼ重なる35~44歳の約1700万人のうち、非正規で働く人が317万人、フリーターは52万人、職探しをしていない人も40万人いる。
対策の柱として、人手不足の建設や運輸などの業界団体を通じ、短期間で就職に結びつく資格を得るための訓練コースをつくる。また、正社員に採用した企業には最大60万円の助成金を支払う制度の条件を緩めるほか、氷河期世代を対象にしたキャリア教育や職業訓練を人材派遣会社などに委託し、就職に結びついた成果に応じて委託費を払う。厚労省は今後、全国の労働局を通じて都道府県や地元の経済団体などと連携。具体的な支援の計画づくりを進める。
氷河期世代には、仕事や社会参加をせずに孤立する「ひきこもり」の人も少なくないとされる。内閣府は、40~64歳の中高年ひきこもりが全国に61万人いると推計する。
対策では、福祉事務所がある自治体が生活困窮者向けに実施している自立相談支援事業の対象にひきこもりの人も加えると明確にする。自宅訪問などで生活や就労の相談に乗るなどした自治体には、国からの補助を加算する方針だ。(内山修、西村圭史)
■急ごしらえ、透け…