北朝鮮の朝鮮中央通信は4日、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が平壌のメーデースタジアムでマスゲームを観覧し、実妹の金与正(キムヨジョン)・党宣伝扇動部第1副部長が同行したと報じた。与正氏の公式行事の参加が伝えられるのは4月12日に開かれた最高人民会議以降、52日ぶり。
韓国の一部メディアは、与正氏は2回目の米朝首脳会談が物別れで終わった責任を問われ、謹慎処分を受けたと伝えていた。同通信が配信した写真によると、与正氏は正恩氏の妻、李雪主(リソルチュ)氏を挟んで正恩氏から2人目の席に座っていた。
与正氏は、南北首脳会談や米朝首脳会談で正恩氏に寄り添い「秘書室長」のような役割を果たしているとみられてきたが、4月下旬のロシア・ウラジオストク訪問では同行が確認されず、臆測を呼んでいた。
同通信によると、マスゲーム観覧には、韓国の一部メディアが「粛清説」を報じていた金英哲(キムヨンチョル)党副委員長が、2日の軍部隊の芸術公演鑑賞に続いて同行した。
マスゲームは3日開幕した芸術公演「人民の国」。韓国の北朝鮮専門家は、外貨獲得の手段の一つとして期待しているとみている。(ソウル=武田肇)