文部科学省などが、大学に対して留学生の在籍管理の徹底を求め、指導しても改善がみられない場合はその大学の留学生に在留資格を与えない方針を打ち出した。これまでは大学の自治などを踏まえて「性善説」を取ってきたが、東京福祉大が制度の「抜け穴」を使って人数を急増させ、その多数が所在不明になっている事態を受け、方針転換を余儀なくされた。
「大学ではテキストを読むだけで、日本語が上手にならない。将来は日本で稼いで、日本人女性と結婚したい」
東京福祉大から出てきたベトナム人男性(24)は11日、こう話した。2年前に来日し、現在は同大の学部研究生として滞在する。普段はコンビニや飲食店のバイトをしているが、この1カ月は留学ビザの更新時期に重なったため、バイトを休んでいるという。同じく学部研究生の中国人男性(26)は「バイトばかりして大学に来なくなる人がたくさんいる」と明かした。
大学は定員が決められており、それを超えて正規課程の留学生を急に増やすことは難しい。だが、同大は定員に含まれない研究生などの「非正規枠」を使うことで、規制を受けなかった。2015年度の学部研究生は39人だったが、翌16年度は1201人、18年度は2656人に急増。文科省への届け出のみで開設ができる「留学生別科」の学生も13年度の186人から、18年度は1495人に達した。
行方不明となるのも、こうした…