性暴力と、性犯罪に対する司法判断に抗議する「フラワーデモ」が11日夜、東京や大阪、福岡など9カ所で企画された。性犯罪をめぐる裁判で「同意のない性交」と認定しながら無罪となる判決が相次ぎ、4月に東京で始まった抗議活動が全国に広がりつつある。
呼びかけ人で作家の北原みのりさんによると、11日は5月にもデモがあった東京、大阪、福岡のほか、初めて札幌、仙台、名古屋、神戸、山口・下関、鹿児島でも開かれたという。「声を上げたい」と自発的に広がった。花を持ったり、花柄の服を着たりして、判決への抗議と被害者へ寄り添う気持ちを表すことから「フラワーデモ」と呼ばれている。
東京駅前で開かれたデモには花柄の洋服を着たり、生花を手にしたりした参加者約300人が集まった。マイクを握った後藤稚菜(わかな)さん(27)は上司から受けたセクハラ被害や彼氏から受けたデートレイプ被害を告白した。「恐怖感と憎悪を植え付けられた」と話し、「政府には性暴力被害者への支援や加害者への更生プログラムなどに力を入れてほしい」と訴えた。
参加者の中には男性の姿もあった。20代の男性は交際中の女性と参加した。彼女から以前、性被害に遭った話を聞いたことがあるという。「身近な女性を守るためにも、女性の声に耳を傾けなければと思い参加した」と話した。(滝口信之、上野創)