人間の受精卵をゲノム編集し、エイズウイルス(HIV)に感染しにくい赤ちゃんの誕生を、ロシアの研究者が計画していると、英科学誌ネイチャーがニュースで報じた。実現すれば、昨年の中国に続く2例目となる。ゲノム編集の臨床応用をめぐる議論が世界的に続く中、今回の計画は批判を呼びそうだ。
HIVかかりにくい遺伝子変異、長生きの確率低い?
HIVは「CCR5」という遺伝子を足がかりに感染する。この遺伝子に変異があると感染しにくいことが知られている。
ネイチャー誌によると、ロシアの研究者はCCR5をターゲットとしている。ゲノム編集した受精卵をHIVに感染している母親に移植し、子どもへの感染リスクを減らす狙いだという。
ゲノム編集による臨床応用をめぐっては、中国の研究者が昨年、今回の計画と同様に、ゲノム編集によってCCR5を働かないようにしたとされる双子の女児が生まれたと発表。当局の承認がなく、世界の科学者から大きな反発を受けた。
ロシアの研究者は、当局の承認…