大阪北部地震から1年を迎えた今も、壊れた屋根にブルーシートをかけ続けるボランティア団体がある。1万6千件を超す住宅被害があった大阪府茨木市内に拠点を構え、全国から仲間を受け入れて、およそ900件を手がけてきた。
茨木市内で5月下旬、住宅の壊れた屋根の上で、ロープで結び合った4人が声を掛け合っていた。紫外線などで劣化したシートをはがし、新品を張っていく。
この日は最高気温が30度を超す真夏日。日光に直射され、瓦の熱が靴底から伝わる。メンバーの一人は「まだ序の口」と話した。
高所作業の技術があるボランティア団体「レスキューアシスト」のメンバーらだ。市内の元幼稚園舎を活動拠点「茨木ベース」とし、ヘルメットや安全靴、工具、飲料水などを常備。代表の中島武志さん(42)は「道具がそろった基地があれば、全国から仲間を受け入れられる」と話す。
茨木市社会福祉協議会によると、地震直後の昨年6月は1577人のボランティアが集まったが、10月は24人に減った。社協の担当者は「(昨年7月に)西日本豪雨が起き、多くがそちらに移った。風化も大きい」と話す。
しかし中島さんらは豪雨の後も…