|
ひめゆり平和祈念資料館(沖縄県糸満市)が23日に開館30年を迎えた。戦後74年となり、どうすれば「戦争が遠い世代」に戦争の実相が伝わるのか。「共感の入り口」を探しながら、来年から展示を一新しようと準備を進めている。 窓際に並ぶ13人の少女たちが、空を見上げ、笑顔を見せている。 1941年ごろ、沖縄師範学校女子部・県立第一高等女学校の寮で撮られた1枚だ。この4年後、両校の生徒たちは看護要員として沖縄戦に送られた。「ひめゆり学徒隊」で、教師・生徒240人が動員され、そのうち136人が命を落とした。動員以外の生徒らも含めると227人が亡くなった。 写真は、リニューアル後の新たな展示候補として検討されている1枚。普天間朝佳(ちょうけい)館長は「自然な表情をしている」。今の世代にも身近に感じてもらえると期待する。 89年にできた資料館は開館15年の2004年に展示を一新。体験者が直接語れなくなることを見据え、証言ビデオを導入し、展示の説明文を増やした。2回目のリニューアルは来年7月の予定で、大きな狙いの一つが「戦争からさらに遠くなった世代」に伝わるようにすることだ。 資料館職員はここ数年、来館者の感想文で気になる表現が目にとまってきた。「戦争時代」という言葉だ。江戸時代や戦国時代のように、今と切り離された過去の出来事になっているのでは、と心配する。 戦争に巻き込まれる前の部活動の様子など学校生活を紹介している展示もある。だが、生徒たちの表情はまじめなものが多い。硬い印象を与えるためか、目をひかなくなっている様子も見られた。その状況に、職員たちは「伝わらなくなっているのでは」との危機感を抱いた。 普天間館長は「共感を持ってもらわないと、何事も考えたり、感じたりしない。共感の入り口をつくる」とリニューアルの目的を語る。若い世代向けに展示にイラストを使うことも検討中だ。 ■「碑や言葉だけが残ってほしく… |
「笑顔」で語り継ぐ戦争 ひめゆり資料館30年の模索
新闻录入:贯通日本语 责任编辑:贯通日本语
相关文章
ドローン飛行禁止「辺野古は指定外に」 沖縄弁護士会
サイパン島の帰還者ら最後の慰霊へ 高齢で杖手放せず
「風化させない」同級生ら誓う 米軍機墜落事故の慰霊祭
「悪夢と死ぬまで付き合う」語り継ぐ米軍機墜落の記憶
知事に拍手、首相に怒号 メド立たない沖縄との関係改善
平和願い、空に映される光の柱 沖縄はきょう慰霊の日
小6、詩を朗読「戦争の悲さんさ伝え継ぐ」沖縄慰霊の日
玉城知事の平和宣言、沖縄言葉と英語交え 政府へは批判
「海や大地や空が何を思ったのか」山内さん平和の詩全文
玉城知事「辺野古移設断念を強く求める」 平和宣言全文
友の生きた証し、伝え続ける ひめゆり資料館30年
ひめゆり学徒の死を悼む 平和祈念資料館、開館30年に
「もう一度、顔が見たくて」 沖縄戦、学徒の遺書を修復
沖縄戦の洞窟で土まみれ 遺骨、万年筆…家族に返したい
「工事は違法」沖縄県が国提訴へ 辺野古に土砂投入半年
那覇の米軍港近くに500キロ不発弾 沖縄戦で投下か
片道4時間に手軽な国いっぱい 企業の熱い思い、沖縄へ
沖縄県民大会で政府批判「捨て石の74年前への回帰だ」
日本の裁判手続きは「悪名高い」 米海兵隊の文書に記載
辺野古新区域に土砂投入開始 知事は中止要請、政府強行
辺野古、新区域の土砂投入へ工事始まる 中止要請も強行
瑞慶山氏が立候補取りやめ、屋良氏支援へ 衆院沖縄補選
辺野古、土砂投入3カ月 新たな護岸工事にも着手
防衛省、新たな護岸工事に着手 辺野古沿岸部の515m
沖縄を動かした若者 「対話」求めて署名集め、ハンスト










