インドネシアの憲法裁判所は27日、4月の大統領選の開票結果を不服とした野党陣営の異議申し立てを却下した。現職ジョコ大統領の2期目の当選が確定した。就任式は10月20日で、任期は5年間。憲法規定で3選はできない。ジョコ氏は「インドネシアを発展させるために、全国民が再び団結しよう」と勝利宣言をした。
落選が決まった元陸軍幹部で野党党首プラボウォ氏は「残念だが、決定を尊重する」と受け入れた。
同氏の陣営は憲法裁の審理で、ジョコ氏が現職の地位を利用したほか、選挙で大規模な不正があったと主張。実際の得票率はプラボウォ氏が4ポイント差で上回っているとして、同氏の勝利を発表するか、再投票を命じるべきだと求めていた。
憲法裁はこの日、プラボウォ陣営の主張について「いずれも証拠がない」と退けた。選挙管理委員会が5月21日に発表した、ジョコ氏の得票率が55・5%、プラボウォ氏が44・5%との開票結果が確定した。
5月の選管発表時は、プラボウォ氏の支持者らによる暴動がジャカルタ中心部で起き、計9人が死亡した。憲法裁の言い渡しがあったこの日も、警察と軍が厳戒態勢を敷くなか、同氏の支持者らが中心部で抗議の声を上げた。(ジャカルタ=野上英文)