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西日本豪雨から1年になろうとしていた6月下旬の夕暮れ、まび記念病院(岡山県倉敷市真備町)の訪問看護師、大杉亜希子さん(38)は、町内の老夫婦宅を訪ねていた。 「今日は顔色がええね」 寝たきりの男性(75)に、笑顔で話しかけながら、血圧や心音を確認する。脳梗塞(こうそく)で言葉が話せない男性に代わって体調を伝える妻に明るく応じながら、30分ほどで老夫婦宅を後にした。 小田川やその支流の堤防が決壊し、高齢者を中心に、町内で50人以上が亡くなった西日本豪雨。大杉さんの自宅も2階の床上まで浸水し、今も住めないままだ。しかし、それよりもつらい出来事が、あの日あった。 昨年7月6日の夕方、大杉さんは、夜間の緊急対応をする当番で、患者や家族からの連絡を受ける「当番電話」を持って帰宅した。土砂災害への警戒を呼びかけるテレビニュースを夫と見ながら「家は山から離れているから大丈夫だろう」と話していた。 しかし深夜、2キロほど離れたアルミ工場から、ドーンという爆発音が聞こえた。危険を感じ、子ども2人を車に乗せ、夫と丘の上の公園に向かった。しかし、公園へ続く道には、同じように避難してきた車が列をなし、途中の道で一夜を明かした。 翌日の7日朝、身の回りのものを取りに、いったん自宅に戻った。20分後、再び家を出ようとしたとき、庭先に水が迫っている光景が、目に飛び込んできた。あわてて階段を駆け上がったが、2時間もしないうちに、水は2階まで上がってきた。怖がる子どもたちに声を掛けているとき、ポケットの当番電話が鳴った。 「おやじが家でどうなったか、… |
迫る水、SOSの電話が…西日本豪雨、ある看護師の後悔
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