九州では6月28日から続く長雨のため、土砂災害への警戒が必要になる。
気象庁「大雨特別警報の可能性」 70万人超に避難指示
九州の土砂災害に詳しい鹿児島大の地頭薗(じとうその)隆教授(砂防学)は、すでに相当な水分を含んだ地面に、さらに強い雨が降ることで発生する大規模な土砂災害が懸念されると指摘する。
深い岩盤ごと崩れる「深層崩壊」は総雨量が400ミリを超えるとリスクが高まる。すでに宮崎県えびの市で880ミリ、鹿児島県薩摩川内市や日置市で600ミリ超となるなど、気象庁の20観測地点以上で400ミリ以上が観測されている。
地頭薗教授は「『土砂災害警戒区域』や『特別警戒区域』からは、雨が強まる時間までに離れたほうがいい」と助言。土砂崩れの危険性がある土砂災害警戒区域は「イエローゾーン」、さらに危険性の高い特別警戒区域は「レッドゾーン」とも呼ばれる。自宅などがこの区域に含まれるかは、自治体や国土交通省のホームページに載っているハザードマップで確認できる。
地頭薗教授は「屋外や離れた場所への避難が難しい状況になれば、最後の手段として近くの鉄筋建てビル、自宅でも崖から離れた部屋や2階に移動するなどの行動を取ってほしい」。
また、土砂災害が発生する前は「崖や斜面から水が湧き出る」「亀裂や落石、樹木が傾く」などの前兆が現れることがあり、内閣府はホームページで例示して「周囲の人にも伝えてすぐ避難を」と呼びかけている。(竹野内崇宏)