東京・目黒区で5歳の女の子を衰弱させ、死亡させた罪に問われている母親の裁判が東京地裁で開かれ、検察側は懲役11年を求刑しました。
母親の船戸優里被告(27)は、長女の結愛ちゃん(5)が、去年1月ごろから父親の雄大被告(34)に暴行されるのを放置した上、衰弱させて死亡させた保護責任者遺棄致死の罪に問われています。
9日の論告で、検察側は、「優里被告は、結愛ちゃんの生命維持よりも雄大被告との関係を優先した」「結愛ちゃんは、味方になってくれるはずの母親に最後まで助けてもらえず絶望を味わった」としました。その上で、「結愛ちゃんの心臓の音が確認できなくなるまで放置した犯行態様は、この上なく悪質と言わざるを得ない」として、優里被告に対し、懲役11年を求刑しました。
一方、弁護側は、「優里被告は雄大被告によるDVの被害者だ。救える命を救えなかったと自分を責め、すでに社会的な制裁を受けている」として、懲役5年が相当だと主張しました。
また、最後に優里被告は、「周りに何と言われようと、異常なほど愛していたのに、結愛の心も体もボロボロにして死なせてしまったことへの罰はしっかり受けたい思います」と述べ、裁判は結審しました。
判決は今月17日に言い渡されます。