天津市郊外にある楊柳青鎮は年画(新年に家の門や扉、壁等に飾る版画)の「楊柳青年画」でその名が知られている。最盛期には、この街の住民のほとんどが色付け技術を身につけ、年画を製作する作業場が300ヶ所以上あった。著名な中国民間木版年画の一つである「楊柳青年画」は、明代(1368-1644年)に生まれ、その技術がこれまでずっと受け継がれてきた。新華網が報じた。
楊柳青鎮で1950年に生まれた年画職人の霍慶順さんは、5歳の時から年画の製作を習い始め、今では、国家級無形文化遺産項目に指定されている楊柳青木版年画の代表性伝承人にも認定されている。そんな楊柳青年画も一時は存続の危機に瀕していた時期もある。
二世代にわたる数十年の取り組みを経て、中国政府のサポートの下、楊柳青木版年画は2006年に、第一陣の国家級無形文化遺産リストに登録された。そして、2013年には霍さんの作品を展示する「楊柳青年画館」が設置された。当時、年画を製作する作業場も70‐80ヶ所まで回復した。
「年画は雅でありながら大衆的でもあり、人々の『期待』や『順調』、『豊作』など、素朴な希望がそこに込められている。そして年画には時代を感じさせる懐かしさが漂っている」と霍さん。
機械製作や吹付けなどの技術がますます進歩している今でも、霍さんは伝統技法を堅く守り続け、年画からは伝統の美しさが放たれている。「イノベーションは基礎を固めることから始まる」と固く信じる霍さんは、伝統的なスタイルでの年画製作を続けており、「量より質」という「匠の精神」を抱き続けている。「1つの年画を仕上げるまで、5工程あり、少なくとも半年かかる」と霍さん。
また霍さんは、その技術を一人でも多くの人に伝えようと、海外や大学、コミュニティにも足を運んでいる。さらに、若い年画職人は、オンラインで作品を販売するようになっているほか、年画の関連グッズも打ち出している。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年4月16日