ネットで人気が出たタニシ麺が柳州から全国・世界へと羽ばたく上で着実な支えになったのは、その背後の急速に発展した産業チェーンだ。タニシ麺はECやライブコマースの販売ルートの急行列車に乗り、現地政府も関連産業を手厚く支援した。
2014年、個包装のタニシ麺を生産する柳州最初の企業が登録を行い、柳州の街角で数年にわたって売られてきたタニシ麺を産業化の軌道に乗せ、米粉の製造工法、殺菌処理、真空包装などの食品生産技術を導入して、きれいに個包装されたインスタントタニシ麺が市場に出回るようになった。19年末には、柳州の個包装タニシ麺を扱う登録企業は81社を数え、ブランドは200を超え、1日あたり平均売り上げは170万袋に達し、19年の年間売上高は60億元(約900億円)を超えた。14-18年の4年間で、タニシ麺は阿里巴巴(アリババ)プラットフォームの売り上げランキングで1位を獲得した米粉類製品になった。
16年は中国のライブ配信元年と呼ばれ、タニシ麺もこの年に国民に愛されるネットで人気の食品へと成長していった。SNSのタニシ麺に関するスレッド、さまざまなパーソナリティがタニシ麺を食べる動画、スターたちの微博(ウェイボー)での後押し、ECプラットフォームが発信する各地のグルメ地図やグルメランキングなどが、絶えず若い消費者に「タニシ麺を食べてみたい」と思わせ、タニシ麺の売り上げに対して強い牽引効果を発揮した。
タニシ麺の爆発的人気は偶然ではない。その背後には若い世代の消費ニーズの変化と新小売販売ルート・モデルの変化があるが、実際に発展してからはまだ5-6年しか経っておらず、業界全体としてはまだ多くの不確実性を抱えている。異業種からの参入者もどんどん増え、タニシ麺市場の競争はこれからさらに激しくなることが確実だ。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年5月8日