多くの人は、「絨花」の製作者というと、「女性」というイメージを抱いているかもしれないが、実際にはそうではない。趙さんによると、南京のほか、北京や上海、揚州といった都市にも、「絨花」の技術が伝わっており、その職人は皆男性だ。趙さんの作品は一目見ただけで、他とは違うことが分かるが、その職人技について、趙さんは、「難しいと思っている人にとってはできないだろうが、できる人にとっては難しくない」とし、絨花が新たなトレンドとなっている理由について、「ずっと受け継がれてきた伝統技術全ては実際の人々の暮らしとのつながりがあり、庶民の生活がそこに詰まっている。それがないものは自然と淘汰される」との見方を示した。
「延禧攻略」が放送されて以降、富察皇后が付けていた「福寿三多」が最も人気になり、今でも依然としてオーダーメイドの注文が殺到しており、なかには、まだ受け取ることができていない客もいるが、みんな理解を示してくれているという。絨花を18回にわたり購入しているリピーターは、「南京絨花のように、時間をかけて精巧につくる手工芸は、代々受け継がれ、保護しなければ、歴史の長い流れの中で消えてしまう。趙さんのように伝統を守っている職人が、弟子にその技術を伝え、資金を投入したり、再編したりすることで、その技術を発揚させることを願っている」とのメッセージを寄せている。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年6月5日