貴州省の標高2900メートルの山間地域にある六盤水海■小学校(■は口へんに葛)の教師である顧亜先生は、生徒たちを組織して、校内にロックバンドを結成している。生徒たちは顧先生からギターやドラムを学び、普段は静かな山に、リズミカルでアツいロックを鳴り響かせている。人民網が報じた。
師範大学の音楽学部を卒業した顧先生は、大学時代にもバンドを組んでいた。そして、2016年に教師として海■小学校にやって来た。顧先生が赴任したばかりの頃、生徒たちは授業中、質問に答えようとせず、意思の疎通を行うことすら難しいほどだったという。そこで、顧先生は、生徒たちに楽器の演奏などを学ばさせることで、内向的な性格を変えることを思いついた。
顧先生は、授業の余暇の時間を利用して生徒たちに楽器を教えることから始め、企業が寄贈してくれた楽器200点を使って、「キャンパスロックバンド」を結成した。バンドを結成すると、校内のムードも一転。生徒たちには自信が芽生え、明るくなったという。
この特別なキャンパスロックバンドは音楽と愛の力を伝えている。子供たちが曲をカバーしているロックバンド・痛仰楽隊(Miserable Faith)も、「顧先生と連絡を取った。いつか海■小学校に行って子供たちのために演奏したい」としている。
このロックバンドでボーカルを務める晏興雨さんは、「いつか山から出て、いい学校に通い、将来は音楽の先生になりたい」と夢を語る。
ロックを演奏するようになってからというもの、生徒たちの授業態度も向上し、放課後も秩序が保たれるといった変化が見られ、昼食後にはそれぞれ楽器を手に、運動場や教室で数人集まっては楽器の練習をするといった光景がしばしばみられるようになった。
限られた条件の中で、できる限り山村で暮らす子供たちに音楽に触れてもらい、より多彩な世界に目を向けさせようとしている顧先生はまさに子供たちと音楽の世界をつなぐ「架け橋」となっている。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年7月31日