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寧夏の貧困脱却を描くドラマ「山海情」が若者にも人気に

貧困脱却の難関攻略をテーマにしたドラマ「山海情(MINNING TOWN)」が放送され、視聴率も評価も高く、大ヒットの様相を呈している。第一話放送後のコミュニティサイト・豆瓣のレビューが9.1ポイントの高得点で、新しい回が放送されるたびに、レビューは上昇の一途をたどり、現時点では9.4ポイントとなっている。この「映像を見ているだけで西海固地区の黄砂の匂いが漂ってくる」リアルさと、中国の国策を反映した「主旋律ドラマ」が、年齢層の壁を越えて、「90後(1990年代生まれ)や「00後(2000年代生まれ)」などの若者の心も捉え、人気となっている。


「山海情」は主に、1990年代、寧夏回族自治区の西海固地区の貧困者たちが、中国政府の貧困者支援政策の呼びかけに応じ、山奥から首府・銀川市に近い黄河の水を用水路で耕地まで引いた灌漑農業が行われる地域に移転し、福建省のペアリング支援の下、苦労を乗り越えて起業し、勤勉に働いて豊かな生活ができるようになるまでの様子を描いている。草木も生えないようなゴビ砂漠を、快適な生活ができ、繁栄した「金灘村」へと変化させるような発展が描かれている。長々と続くドラマと異なり、「山海情」は全23話で完結。時代の変化を生き生きと、かつリアルに描き出している。



映画・ドラマを見る多くの人に共感を覚えてもらうためには、多くの人に共通する感情を表現しなければならない。「90後」、「00後」の視聴者の多くから、「このドラマを見て泣いた」といったコメントが寄せられている。実際には、涙を誘っているのは、「お涙頂戴」のシーンではなく、村民が移転したばかりの時は砂地を堀り下げて作った粗末な家に住み、女性が風や砂ぼこりが舞う中、歯を食いしばって体が不自由な夫と、幼い子供を連れて荷車を引く姿、そして、キノコがなかなか売れないという難題を解決するために、村党支部の書記が村民のために頭を下げる姿などだ。



このドラマを通して、視聴者は「ごく一般的な人」に共通の感情を抱き、「大きな時代」への理解を深めている。あるネットユーザーは、「とてもいいドラマ。子供にリアルな中国、リアルな中国の農村、リアルな歴史の発展の過程を知ってもらうことができる。そして、どんなものも、簡単に手に入れられるものではなく、多くの人が重責を負い、一歩ずつ前に進んだ結果であることを伝えることができる」と綴っている。


SNSでは、多くの視聴者が、「気持ちの中ではもう金灘村の村民になった」、「毎日、泣き、笑い、村の水、電気、木、キノコのことが気になっている」といったコメントが寄せられている。ドラマが、凌一農教授が村民にキノコの栽培方法を教えるところまで進むと、ネットユーザーからは、「このドラマは中毒性がある。夢の中でもキノコを栽培してしまう」、「マッシュルームの栽培が成功したのを見て、自分が栽培したかのような気分になり、とてもうれしかった」といったコメントが寄せられ、視聴者がドラマと共に一喜一憂していることが分かる。



ドラマのストーリーだけでなく、視聴者は寧夏回族自治区の方言にも夢中になっている。「山海情」の製作チームは、細やかな配慮をして、普通話(標準中国語)版と方言版の2バージョンを作成。そして意外にも方言版が、普通話版よりも注目を集める結果となっている。また、寧夏を支援するためにやって来た福建省の幹部が到着後も福建省の方言を話し、寧夏回族自治区の方言との「コラボレーション」を披露するシーンは、たくさんの笑いを提供してくれる。


侯鴻亮プロデューサーは、「新型コロナウイルスの影響で、製作時間に限りがあった。製作を引き受けてから、クランクインまで、9ヶ月しかなく、製作チームは5ヶ月かけて脚本の要綱の改良を重ね、最も適した切り口、表現方法を探した」と語る。「山海情」で取り上げているのは、貧困脱却の難関攻略事業のほんの一部分。「山海情」がヒットしたことは、「主旋律」をテーマにしたどんな作品にも素晴らしい「チャイニーズ・ストーリー」が詰まっており、それを味わい楽しむ視聴者がたくさんいるということを物語っている。生活感あふれる作品ほど、息が長いといえるだろう。(編集KN)


「人民網日本語版」2021年1月27日


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