【セントルイス安藤由紀】米大リーグのプレーオフ、ナ・リーグ優勝決定シリーズ(7回戦制)のカージナルス(中地区1位)-アストロズ(ワイルドカード=最高勝率2位球団)第6戦は19日、当地で行われ、アストロズが5-1で勝って対戦成績を4勝2敗とし、球団創設44年目で初のワールドシリーズ出場を決めた。22日からア・リーグを制した井口のホワイトソックスと大リーグの頂点をかけて対戦する。
アストロズは三回、ビジオの適時打などで2点を先行し、四回にもレーンの本塁打で加点するなど序盤から試合を優位に進めた。カージナルスの田口は七回途中から左翼の守備に入り、その裏の打席では一ゴロに倒れてベンチに退いた。
▽カージナルス・田口 負けたと言うことは、僕らが弱かったということ。もっともっと野球がうまくなって、確実に力でねじ伏せられるようにしたい。(来季のことは)何も考えていません。
◇呪縛解き放たれ頂点に アストロズ
悪夢のような九回2死無走者からの大逆転負けをしたのは2日前。球史に残る第5戦の敗戦ショックを振り払ったアストロズが、ついに立った。
三回、下位打線がカージナルスの先発・マルダーをとらえた。連打と犠打で1死二、三塁とした後、1番・ビジオへの初球が暴投となって先制。今シリーズ打率3割1分6厘と当たっているビジオはすかさず左前適時打を放ち、四回はレーンが3点目のソロを左翼席へ運んだ。
第2戦で7回2失点と苦しめられた、5年連続15勝左腕、マルダーを五回途中でKO。六回以降も中継ぎ陣を攻略し、常に有利な状況で試合を進めた。先発・オズワルトも2試合連続の好投で、2年連続20勝の実力を発揮し、援護に応える。選手たちは第5戦のいやなムードをはねのけ、激しいブーイングの敵地で必死に投げ、駆け回った。
アストロズは、今回が4度目のリーグ優勝決定シリーズだが、ワールドシリーズ進出に王手をかけた試合は通算0勝5敗。あと一歩のところで涙をのみ続けてきた。大詰めの難しさを知るガーナー監督は「次の1勝はこれまでで一番、手にするのが難しいだろう」と話していた。しかし、ナインの奮起で呪縛は解き放たれ、待ちに待った歓喜の瞬間が訪れた。【安藤由紀】
○…カージナルスは投打に精彩を欠き、リーグ2連覇を逃した。先発・マルダーが6安打、2暴投、3失点と早々に崩れ、中継ぎ陣もピリッとせず。頼みの打線も大振りが目立ち、逆転Vの夢はついえた。
チームの敗戦とともに、本拠地・ブッシュスタジアムも役目を終える。老朽化のため今季限りで取り壊され、すぐ隣りでは来季から使用する新球場の建設が進んでいる。40年の歴史を勝利で飾ることは出来なかった。